変化の早さ

2008年を向え、昨年の今頃はどうだったかとふと考える。
所謂「日常」はそんなに大きな変化は無いように思えるのだが、「日常」を支える背景は大きく変化している。

時折その変化を伝えてくれるメディアもあるが、始終メディアに釘付けになっている訳にもいかず、見落としがちな情報も多い。

もっと言えば重要な事であっても報道されないことすらあり、反面どうでもいい情報はジャブジャブと流れ続けている。

世界的ニュースで衝撃的だったのはサブプライム問題だが、昨年末メガバンク3行が支援を拒否したと報じられた。しかし、日本という国がこの問題解決にあたり想像を絶する莫大な資金を投入し、世界的混乱を水際で防いだ事を知る国民はあまりいない。また、自業自得と言われればそれまでだが、この問題であおりをうけた昨年8月の株式市場・・・人知れず自らの命を絶った個人投資家は少なくない。

更に身近な問題として、原油価格の高騰があげられるが、ほかにも密かに高騰している身近なものは多い。特に「食」は深刻な問題になるだろう。小麦粉は昨年に比べ約3倍、割り箸の単価も上昇しつづけている上に、中国からの輸入には規制がかかる。ロシア産割り箸が取りざたされるが、安定供給には不安要素が多い。マグロが日本国民の口に入らなくなる日も意外と近いのか・・・経済の一翼を担う大きな産業である外食産業が受ける打撃は計り知れない。

娯楽産業の雄パチンコ(私は大嫌いなのでやらないが)さえ、生き残るのはほんの一握りの大手であり、地元で親しまれたパチンコ店は凄まじい勢いで姿を消しているのである。パチンコを楽しむ人口が減少し続ける中、大手もうかうかしてはいられない。

その他、メディアで報じられていることや、世間で言われていることと実態が異なることが以前にもまして増えた感がある。格差社会の足音をかき消したいのだろうか。それとも格差を衝撃的にデビューさせるための演出なのだろうか。

来年の今頃「日常」はどうなっているのだろう。

物質的・経済的支柱は大きくゆらぎつつある。

ゆるがない精神的支柱がますます重要になるだろう。