少年に心からの謝罪

4月、5月は気合い入りまくりの感がある。事業としての滑り出しは順調だが、少々職場内に目を向ける時間が希薄だったと反省。とにかく、連日企業や金融機関、研究機関や行政、大学の方々と様々な打合せ、交渉が続いた。疲れはあるがそれに比例したやりがいを強く感じる。

5月30日、この日も某企業との打合せと食品業界のエキスポがあり一路東京へ。午前中のデスクワークを終え、在来線でまずは三島駅。ちょうど正午を迎えようとしていた為、駅構内の立ち食いそば屋「桃中軒」で天玉うどん(360円)をオーダーする。手際良く調理されたうどんを受け取り七味をかける。このとき客は私とサラリーマン風の方の二名だけであり、非常に落ち着いた昼食になると思われた。

が!

高等学校がテスト期間中なのか、あるいは何かの行事の為ハヤあがりなのか、下校の高校生達がわんさと構内に入って来たのである。そして、何名かの男子高校生が私の周りにやってきて次々と「かけそば!」「おれも!」「おばちゃん、俺もかけそば!」とマシンガンオーダーを繰り広げた。高校生に囲まれた私は肩をすぼめるようにしてうどんを食い続けるのだが、その時・・・天ぷらに入っている桜エビ君が私の喉を刺激したのである。

これはムセる!

口にはうどんも入っている、この状態でムセると、、、

1)桃中軒の店内にスパーク!(店に損害を与えてしまう)
2)自分のどんぶりにファイアー!(残りのうどんが台無し)
3)誰もいない後方に振り向きディスチャージ!(無害だ)

選択肢は2)か3)しかない。だが、食べ始めたばかりのうどんが台無しになってしまうのはもったいない。そうこうしているうちにムセ返り直前、

もう3)しかない!!ディスチャージ!!!!

・・・

「おぉぉぉ、まじかよぉ!」

と隣にいる男子高校生の悲鳴に近い叫び。そう、時計方向に振り返り「回れ右」をしてディスチャージする予定が、「右向けぇ、右!」の状態で行われてしまったのである。ちょっと小柄な高校生、みれば頭からうどんやらネギやらスープやらを浴びているではないか。そして、上着を脱いで「おぉぉぉ、まじかよぉ!」を連呼している。周りにいた友人A,B達も「ひでぇ・・・」「ありえねぇ!!」と騒然。

少年に心からの謝罪をし、目立ったところはハンカチで拭き取ったのだが、自分でやっておきながら、そのあまりに惨い光景には目を覆いたくなった。その後、何度も謝罪し、クリーニング代としていくらかを渡した。そうそう、万一足りなかったら連絡をして欲しい、と名刺もセットで。そうこうしている内に予定の新幹線の時刻が近づいてしまい、その場を後にした。

本当に申し訳なく思っております。

この日、早稲田と有明で仕事だったのだが、ずっとこの少年のことが頭から離れなかった・・・。反省。

(ちなみに「これはムセる!」〜「ディスチャージ!!!!」までの間、およそ1秒。余計な選択肢を考えずに回れ右をしていれば良かった)