愛車ときどき修理ときどき車検のつづき

パドック・ヤジマに到着する直前、小雨がパラついてきた。これはまずい・・・何しろこの車、ワイパーが動かないのだ。前方を走るA氏の車の後を慎重について行く(この時、万一追突してもA氏なら許してくれるかも、などとは決して思っていない。決して)。

そんなこんなが頭を巡っているうちに無事到着。

A氏もこの日は愛車のロードスターを預けていたため、その辺りの様子を社長と二人でこそこそ。どうやら満足いく状態になっているようで、A氏からも笑みがこぼれる。つづいて、たまたま来ていたWAKO’Sで有名なワコーケミカルのデモンストレーションをA氏と二人で見る。このデモンストレーションというのが凄い。何が凄いって、高枝式切りばさみや、クイックブライトどころではないのである。目の前で繰り広げられるワコーイリュージョンにすっかり見せられ、その場で社長に「オイル交換時にはこいつを使って下さい」と頼んでしまった程だ。スーパーなどで行われている実演販売の万能スライサーをその場で買ってしまう主婦の気持ちってこんなものか・・・。

と、いよいよ本題・・・しかし、私の車をみた社長の顔が優れない。そして

「この車どれくらい乗ってます? 結構クセのある車だってことは承知しているよね」と。

同じ車は二台目であり、神経質で弱っちい車であることは承知していることを告げる。

すると「それならやってみるか。承知してくれていないお客だと、車検後におかしくなっただことの、なんだかんだやっかいな車なんだよね」と、過去にあったトラブルなんかを話してくれた。軽いトラウマになっているようだ。

「で、車検前に修理するっていうのはどこ」と社長

・ワイパーが動きません
・マフラーが落っこちてます
・排気温度センサーがいかれています
・シートベルトを付けても警告ランプが消えません

と説明。「後の二つは大した事ないな(おいおい本当か?)。ワイパーとマフラーか・・・やっかいだな、今から部品を取るったって車検には間に合わないし・・・」

そこですかさず、全く同型の車をもう一台所有していることを告げ、部品はそちらから移植しても構わないというと、社長の、いや職人の眼がキラリと光る。

(つづく)