東京日和2のつづき

日本橋ロイヤルパークホテルに着くや否や、私の携帯が鳴る。

外資系生命保険会社に勤めるO嶋からだ(←伏せ字の意味がない)。

「あのぉ〜、今いいですか。実は・・・今月分の保険料が引き落とせないようなんですが」

歩き疲れてようやくこのロイヤルな空間で一息を入れようとしていた矢先になんてこった。
しかし、貧しいながらも保険料が引き落とせないような事態にはなっていないと思い、一旦電話を切り、妻に確認を入れる。

「そんなはずないよ」と妻、しばしの沈黙

「あっ!!!」と妻、何か思い出す

結局のところ、我が家の落ち度であったようだ。すぐにO嶋に電話をし、かくかくしかじかまるまるくまぐま説明をする。
いずれにしても給料日後の引き落としに変更を頼み、来月に二ヶ月分をまとめて支払うことにさせてもらった。

やれやれ、と周囲に目を向けると目の前のソファにsmokey氏、なにやらお疲れの様子。

お話を伺うと、これから行われるディナーショーのセッティングに前の晩から朝の5時までかかったそうで、3時間の睡眠の後、今日もフル回転で当日の準備をされていたとのこと。

そう、私がこの日ロイヤルパークホテルにやってきたのは、ミスターイエローブルース「大木トオル」氏のディナーショーに出席するためである。ブルースシンガーである大木トオル氏は、同時に国際セラピードッグ協会の代表として、セラピードッグの啓蒙、普及、トレーナーの育成に力を注いでいる方だ。背景には捨て犬を無くす、という大きな大きな信念がある。捨て犬、捨て猫に象徴されるペットの無責任な扱いについて、「いけないこと」と言う人は当たり前に多い。しかし、なんらかの形で具体的な取り組みをしている人は殆どいない。斯く言う私も、その他大勢の一人である。多忙な音楽活動の中、動物愛護の活動にも先陣を切って取り組まれている姿には本当に頭が下がる思いだ。

ディナーショーには大木トオル氏の歌に魅了され、活動に賛同された多くの人たちがやってくる。私のような一般的な国民から、作家、芸術家、芸能人、政治家etc...。会場ではテレビで見た事のある人が普通にウロウロしていたり、トイレで用を足しているとき隣をチラッと見ると有名な作家であったりするのである。

ディナーショーは18時に始まり、21時過ぎまで熱い空気に包まれた。途中、長年セラピードッグとして活躍し、映画や本にもなった名犬チロリに捧げる歌も披露されたり、生前のチロリの映像が流れるなど、会場の涙を誘った。

ディナーショーの中身についてはここではあまり触れない。アメリカで唯一認められた日本人ブルースシンガー大木トオル氏、セラピードッグ、セラピードッグトレーナーの育成に心血を注ぐ大木トオル氏に関心を持たれた方は、是非ご自身の目で耳で、体で納得していただきたいからだ。

ショーが終わり、感動冷めやらぬ状態のまま、同じテーブルにいたKATOPEさん達とラウンジへ。

極上の「ブラディマリー」を一杯

大木トオル氏に、チロリに、活動を支える多くの人たちに乾杯!