巨星逝く

今朝新聞を読んでいると、「メイナード・ファーガソン死去」の記事が目に飛び込んできた。

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テレビや映画の世界の人の死で涙することはかつてなかったが、今回ばかりはだめだった。会ったこともなければ、生で演奏を聴いた事もないのだが、自分の中であまりにも大きすぎる存在だったからだ。

そして、来月は日本に来る予定だったのに・・・

自分が死ぬまでに一度でいいから生で演奏を聴いてみたいと思っていたジャズトランぺッター、メイナード・ファーガソン。享年78歳。死の直前まで現役を貫いたミュージシャン。

なんでもすぐに飽きてしまう質の自分が、トランペットを続けてこれたのも彼の影響が最も大きい。初めてトランペットを持ったあの日、友人の家に集まり演奏を聴きまくったあの日、家族にまで「こいつスゲー!」と言って聴かせたあの日、一生懸命真似をしようとして唇から血を流したあの日、ビッグバンドで倒れるまでラッパを吹いたあの日、恋人と朝まで一緒に聴いたあの日・・・。振り返れば人生の主立ったワンシーンの殆どにファーガソンの演奏が流れるんだよな。

カリフォルニアで最後を迎えたファーガソン

カリフォルニア滞在中にファーガソンのアルバム「Hollywood」を買ったことを思い出す。家族でシェビーのトラックに乗り、大音量で101号線を走ったっけ。ご機嫌だったね。最後に見たカリフォルニアの空はあの突き抜けるような青だったのかな・・・安らかにお眠り下さい。

メイナード・ファーガソンに心からの賛辞と感謝を。

Hollywood

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