父の日、結婚記念日

昨晩、n年目の結婚記念日ということもあり、分子生物学と分子遺伝学のセミナーを終えると、オーストラリア帰りのスタッフYに後を託し、早めに帰らせてもらった。

家に帰ると久々に活動時間帯まっただ中の長男Rがハイテンションで迎えてくれた。ダダダッ! とやってきて「お帰り!」ふたたびダダダッ! と家の奥に戻り、「これみてぇ〜」と何やら透明なビニールでラッピングされたアイテムが二つ。

父の日のプレゼントとして、私の似顔絵の入ったコースターとケン・ドーンのような色使いが印象的なコップのセットと、もう一つ私の似顔絵を施した折り紙と割り箸で作ったセンスのようなものを作ってくれたのだった。

ひげのジョリジョリまで再現されたその似顔絵、父親としては大満足なのだが、息子が一言・・・

「ちょぉっと違うんだ〜、メガネを書き忘れちゃった!」

息子よ。もはや父はそんなことはどうでも良いのだよ。この前衛的な色使いと、クラフトマンシップ溢れた造形物。なにより一生懸命作ってくれた事がヒシヒシと伝わってくるこの二つの品。大事にするよ。宝物だ。

と、一頻りこの品に関するウンチクを語り終えると息子がまたも一言・・・

「お肉食べたいなぁ〜」

なんという交渉手腕。これまでの流れを振り返ると、ここで「No」とは言いにくいではないか! とは言え労働が所管の私には答える権限がなく、チラッと財務担当の顔を見る・・・うん、どうやら補正予算が組めるらしい!

私 「よぉ〜し、息子よ、肉だ! 肉だ! 焼き肉だ!!」
息子「よっしゃぁ!」(どこで覚えたんだ、この言葉)

ウトウトしていた次男坊Mを起こしさっそく近くの焼き肉屋へ!
タン塩、カルビ、ホルモンという焼き肉の王道とも言うべき三品を大量にオーダーし、これに野菜の盛り合わせやナムル盛り合わせを絡める。焼き肉ムードは満点。小さなテーブルに所狭しと並べられる食材に息子たちは大興奮(いや、私が大興奮)。次々焼くが、皆次々食べる! これぞ焼き肉。

あっ、という間に全品をたいらげ、焼き肉屋を後にする。

車の中では息子二人がレッドゾーン。「ポ、ポ、ポ、ポ、ポテジン! ご飯食べた? 歯みがいた?」などとずっと二人で同じ言葉を繰り返していた(意味不明)。

家に帰り、息子たちを風呂に入れ終えると今度は妻が何やら冷蔵庫から持ち出してきた。

「白ワイン(カリフォルニア産)、トルティーヤチップス・・・そして、ワカモレ

ブラボー!

実はこのワカモレ、去年の今頃アメリカの滞在先で大変お世話になったアンドレアさんから妻が作り方を教えていただいたもので、大変な美味であり、以来わたしの大好物となっている品なのだ。ライムやアボカド、コリアンダーなど、日本では納得いく素材が集まりにくく、帰国後はほとんど作ることはなく、半ば忘れかけていた食べ物。

コリアンダーの香りはちょいと弱いが、その他の素材はグー!

息子がカリフォルニア産チェリーをパクついている間に、夫婦で乾杯。思えば昨年の結婚記念日はシェルビーチにあるオールド・ヴィエナというビアホールで祝ったっけ。そんな思い出を蘇らせてくれた妻の粋な計らいであった。すべてがカリフォルニア産。

ん?

妻が食べてるカマンベールチーズ・・・十勝産だ

まあいい、愛はまだある。