自由研究だったり電車だったり

 世間様のような「お盆休み」は無いのだが、さりとて夏休み中の息子たちにとって、全く普段どおりの父では不甲斐なく、長男の自由研究と次男の関心事について、できる限りのことはしてやろうと思い立った夏。

 小学三年生の長男は、自由研究のテーマ候補に「水晶のしゅるい」と書いてある。色々話をしているうちに、天然石に並々ならぬ関心があることが分かった。

 最終的に種類を調べるだけではなく、いくつかの石を磨いてみよう! ということになり、富士宮の奇石博物館へゴー! 博物館は見ずに・・・売店で原石を買いあさる。オレンジカルサイト、フローライト、ロードナイト、ルビー・イン・ゾイサイトなどなど。帰りがけ、ホームセンターに立ち寄り、研磨に必要なアイテムをごっそり購入。

 日々、黙々と研磨に勤しむ長男。

 さて、ある日テレビを見ていると、八千草薫が安住某というアナウンサーと共に小海線という八ヶ岳周辺を走る電車に乗っているワンシーンがあった。

 ここ数年電車にハマり続けている次男坊は釘付け・・・。

 ほぼ思いつきで、愛犬もろとも清里へ爆進! 清里駅周辺に車を停め、ぶらぶらしていると、犬連れでもOKなオープンスペースのあるレストラン「隆磯亭(りゅういそてい)」を発見。親切な店員さんが、犬連れの我々に声をかけてくれたのだ。


■↑清里駅前にて


 昼食を食べ終わり、いよいよ小海線に乗車。息子二人は運転席うしろに陣取り、電車でGo!よろしく、進行方向をじ〜っ、と見つめテンションは最高。

 甲斐大泉甲斐小泉を経て終点の小淵沢に到着。諏訪湖の花火大会があるようで、中継点の小淵沢駅は賑わっていた。

 それはそれとして、韋駄天一家はタクシーに飛び乗り、一路「身曾岐神社」へ。

 なぜ、身曾岐神社かと言うと、単に韋駄天が行ってみたかった、という理由。神社をめぐっては色々とダーティな話題もあるようだが、それはそれ。利用しようとする輩は勝手にどうぞってなもんで、神社は品格もあり、霊験あらたかな素晴らしい場所である。あ、愛犬ナルは「獣」・・・敷地内への侵入はご法度の様子。妻と交代で神社を参拝。池越しに作られた能舞台や、敷き詰められた砂利の手入れなど、見事であった。


■↑身曾岐神社能舞台


 そう、この日(8月15日)は終戦記念日であると同時に、私の母の誕生日。タクシーを待っている間に、妻が母用にお守りを買ってくれた。何やら火打石のようなもので「お清め」までしてくれたらしい。ありがたいお守りである。

 タクシー到着後は、甲斐小泉駅に向かう。なんとも可愛らしく味のある駅であるが、目の前には「平山郁夫シルクロード美術館」が、ものすごい存在感で佇んでいる。時間があれば、是非ゆっくり見てみたいものだ。

 ほどなくして到着した小海線、新型車両(ハイブリッド)ではないことに若干落ち込む次男(落ち込みポイントがマニアックである)をよそに、再び清里へ。


■↑キハ111系をバックに(ちなみに次男が乗りたかったのはキハE200系)


 あとはひたすら帰るのみ。

 とは言え、ソフトクリームを食べずに清里を去るのも、沼津に来て魚介類を食べないくらい未練が残る。清里南の道の駅でソフトクリームをゲットし、すっきりした所で家路に。

 途中、何ヶ所か渋滞はあったものの、4時間ほどで沼津市内に。身曾岐神社で購入したお守りを渡すべく実家に立ち寄ると、車を見るや、母がすぐに出てきてくれた。誕生日にお守りを渡すことができて一安心。

 いよいよ自宅へ・・・そうだ、晩飯の食材を購入せねば。と、近くのスーパーで食材を購入し帰宅。

 息子たちと簡単にシャワーを済ませ、家族全員で食事。

 そういえば、墓参りも済ませたんだっけ。激烈強行軍の夏、2010。

 来年は少しゆっくり、私の母や、妻のご両親たちと行けるといいな。