息子の善意、ある人間の悪意
一昨日の晩、妻と息子達が居間でなにやらごそごそとやっている。
見ればちいさなビニールぶくろにお菓子を詰めているではないか。
長男のビニールぶくろには直筆のサインが書かれていて微笑ましい(一文字反転しているが・・・)。
そう、翌日は一年過ごした仲間との思い出を締めくくる通称「お別れ遠足」!
まもなく年長組の子供達は幼稚園を巣立ち、小学生に。
年中、年小の子供達は一つ上のクラスに進む。
この遠足で持って行けるお菓子は、私が幼少の頃のように「300円まで」とか「○○はいくつまで」
と言った制限はかけられておらず、例のビニールぶくろに収まるまで、という条件が課せられているようだ。
息子達の真剣なチョイスが終わり、いよいよ寝ようという頃
「お父さん、お父さんもお仕事用に持って行きなよ」
と息子達。
ほどなくして、ハイチュウとビスコ、プラス和風なせんべい・・・で構成されたお父さん用菓子袋が完成。
(構成比の8割以上がハイチュウであるが)
昨日はこいつを持って出勤。そしてカンショク(ビスコとハイチュウを同時食べることの無意味さをこの歳で悟る)。
職場では3月の学会の準備や、目前のビジネスマッチングセッションの打合せ、金融機関様との情報交換など目白押し。
そんな中一通のメールが届く・・・
【緊急版】
と書かれたタイトルに続き、以下のような内容である。
ここで既にお気づきの方もいるであろう、例のB型RH−・・・というやつだ。
ーーー
緊急対応のお願い
○○部品(株)○○○工場 (←地元では名の通った企業である)
従業員の知り合いの子ども 3歳 (←絶妙な年齢設定である)
白血病で緊急手術が必要
特種な血液型のため血液不足で手術ができない
血液型は、RH−B型
ご協力できる方は、
まず 全○○労働組合にご連絡下さい。(←前述企業の組合)
○○○ー○○○ー○○○○ 担当:○○ (←電話番号はまぎれもなく全○○労働組合のもの)
ーーー
これが地域のライフサポートセンター発で、県の地域支援施設を運営するNPO組織ほかに配信されたのだ。
私の職場にはこのNPO組織から情報が提供された。
毎朝届く差出人不明のいかがわしいメールで送られて来たのであれば無視するだろうが、
情報提供ルート、地元企業、3歳の子供、、、、こうなると「リテラシ」なんて言葉は一瞬ふっとんでしまう。
結果はチェーンメール、悪質なイタズラであった訳だが、全く悪意に満ちたキタない発想だ。
今朝、RH−の血液を持つ知人の日記を見てみると、こんなことが書かれていた。
ご本人が採血後、日本赤十字から送られて来た通知の抜粋。
ーーー
「あなたの血液の抗体を調べさせていただきましたところ、サイトメガロウイルス抗体(−)という結果が出ました。
(中略)
万が一の時にはこちらからご連絡させて頂き、輸血にご協力いただきますようよろしくお願いいたします」
ーーー
結局、特殊な血液を持たれている方は日本赤十字が把握していて、万一の際は直接該当する血液の方に連絡が行くとのことである。
聞けば「当たり前か・・・」と思うのだが、メールなんかで広く血液を求めるなんてあり得ないということだ。
チェーンメールそのものが迷惑であるが、こういうのは中でも特別許せないな。
「ビンラディンをかくまっている」くらいなら笑って許せるのだが。