虚と実

世界経済の混乱は凄まじいものがある。じわじわ(でもないな・・・)と上がる物価と、それに比例しない所得。

何かを生産、あるいは収穫していくらか乗せて売るというベーシックな商いから、サービス、情報の提供により利益を得る世界。

ここまでは実体験的に良く分かるのであるが、

ちまたを騒がせる「金融工学を駆使した商品」、こいつは如何ともし難い。

実態の伴わない、あるいは極めて実態の掴みにくいこれらの商品は、時々今回のような大きな歪みを産むことがある。そして大爆発・・・。

今、世界中で事態の収拾の為にジャブジャブとお金が市場に流されている。日本も例外ではない。バブル崩壊の「経験値」があるとはいえ、世界の混乱、日本の混乱を思えばのほほんとはしていられない。賛否はあろうかと思うが、こと経済に関して言えば日本としてできる最大限の努力は出来ていると思う。

しかし、こうしている間にもウクライナが、ハンガリーが、アイスランドが、トルコが、いよいよバンザイのようだ。

アジアでは、経済基盤、技術基盤の脆弱な韓国が、今回の金融危機も相まってウォンは安くなり続けた。政府の為替介入虚しく外貨保有高の枯渇が噂されると同時期、企業からドルを供出させる等の数々の策(暴挙)を講じたが、全く歯が立たない。いわばパニック状態である。

このような国は他にもあるかもしれない。

例えて言えば、商売がうまくいかず、財産(預貯金など)も底をつき、もはや銀行も貸してくれない。武富士で借りて、アイフルに返す、武富士への返済はどうしよう・・・。そうだプロミスでなんとかしよう! といったスパイラルに似ている。

プロミスに色よい返事がもらえないとなると闇金闇金もだめとなると親戚、友人、ご近所、果ては見知らぬおじさんおばさんにまでなりふり構わず借金を無心するような感じか。当然全てが借金であるということは、返さなければならないということだが、返せないとなればその先は言わずもがなである。

何が虚で、何が実なのか、正常に戻りつつあるのか、更なる混乱に向うのか、まるで見えない。