痛みはあれど異常なし

月曜日の朝、職場に向けて車を走らせていると首に痛みを感じた。
T字路にさしかかり左右を確認しようとするとズキっと強烈な痛み。
その後痛みは上下の動きにも反応するようになる。

寝違えたのか、一日様子を見てみようと思いその日はツタンカーメンのように就寝。

翌朝、痛い・・・

前日よりも痛みが増しているではないか!

しかし病院に行っている時間はない、この日も冷凍マグロのごとく就寝。

水曜日、もはやこの痛みは事件である。

大変申し訳ないが韓国からのインターンシップ生、引率の教授に事情を告げこの日は若干予定を変更し、職場内での作業を中心にさせていただいた。この間に病院へ行こうと思ったのだ。

だが、彼等と外出先から戻ると、コールバックのメモが沢山、至急の仕事もこんな時は重なるものだ。それらを処理している内に病院の診察時間はとうに過ぎている。

変な汗をかきながら、この日もバッキンガム宮殿の衛兵よろしく就寝。不用意に寝返りをうとうものなら痛みが走る。

木曜日、痛いのか痛くないのかも定かでは無くなって来る。ただ時折クリティカルな痛みが・・・こいつが実にキビシい。しかしこの日も目一杯の予定、とても診察時間内には戻れない。救急に行こうか、でも明日は時間がとれそうだ。我慢我慢。兵馬俑のように就寝。

金曜日、手先がジーンと痺れている。朝、インターンシップの学生に課題を出し終えるとスタッフに告げ病院へ行かせてもらう。

早々と診察してもらうことができ、さっそく先生の触診。

「どの辺? ここかぁ、大丈夫じゃない? 痛み止めの注射打って、そうだな、一応レントゲン撮ってからまた」

と、可愛らしい女性に尻を見せ注射を打ってもらい、速やかにレントゲン撮影に移り、モデル宜しくバシャバシャと撮られまくる。

再び診察室に戻り先生からの説明。

「異常なしだね。痛みはどう? あ、そう・・・日に日にねぇ。じゃ、一応リハビリの方にいってもらえる?」

お次はリハビリルームだ。

「先生はなんだって? そうか、じゃぁ大丈夫だね。」

って・・・

とりあえず血行を良くすると言われる機械に接続され、ビリビリと刺激を受ける。

その後簡単なマッサージと自分でできるストレッチのレクチャ。

「この後どうするって先生に言われてる? あ、そう。じゃ今日はおしまい。あんまり痛かったらまた来てね」

以上。

あとは会計を済ませ、処方箋を持って近くの薬局で薬をもらった。

痛み止めの注射もいったいどこの痛みを止める注射だったのだろう。相変わらずの痛みである。

今夜はレッサーパンダ風太のように寝てみよう。明朝起きられることを祈って。